令和4年度修了生

第7回 EO Setouchi オンライン講義&メンタリング

2023年3月13日、高知市に本社を置く株式会社アッシェの代表取締役須江勇介氏がEO Setouchiオンライン講義&メンタリングに登壇しました。この日は令和4年度SCCの最終オンライン講義&メンタリングでした。
ASHE(アッシェ)という社名は、まだ存在しない理想の未来を象徴する名前として、既存の言葉に由来を持たない文字列を語源として名付けられましたが、社名そのものがミッションの標語のように感じます。

これまでの歩みとして掲げた、過去の売上実績と今後の売上予測のグラフでは、横ばいだった成長が一気に右肩上がりの成長曲線になっていましたが、その要因を事業部門ごとに丁寧に解説していただきました。

デジタルマーケティング事業 : 
Webサイト制作、Webシステム開発、SNS動画制作、インターネット広告事業では高知シェアNo1を誇り、高い専門知識と専門スキルを持っていることがわかります。
ソーシャルイノベーション事業
「捨てるアタリマエを棄てる!」をコンセプトに、売れ残って捨てられてしまう食べ物を減らすための取り組みである「もぐもぐチャレンジ」はこれからの成長戦略につながるものです。この「もぐもぐチャレンジ」は、スーパーマーケットの売り場で、商品に貼られた「もぐもぐシール」を消費者が見つけることで、賞味・消費期限が近い商品を認知してもらい早めに購入することを促します。この「もぐもぐシール」を集めることで、消費者は寄付やイベントなど、様々な取り組みに参加できる消費者参加型プログラムとなっています。

須江氏によると、年商100億円企業の経済効果は、これまで、4億円の損失(値引きロス3億円、廃棄ロス1億円)が、もぐもぐチャレンジ導入によって(値引きロス2.25億円、廃棄ロス0.75億円)となり1億円の利益改善につながったということです。つまり、割引率が低い段階での購入促進による「ロス削減=利益改善」の実現化です。シールにはオリジナルキャラクター「もぐにぃ」を使用し、小さなお子さんにも見つけやすいように工夫されています。

店舗での展開実例としては、①商品にシール貼り付け・台紙設置、 ②ガチャガチャ・景品の設置、③店内サイネージ制作・設置、④店頭イベントの実施があげられます。また、地域での食育活動にも取り組み、「食を通して環境と調和のとれた豊かな人間形成」をコンセプトに、導入店舗・近隣保育園・幼稚園・小学校での食育事業を通じて、みんなで楽しみながら実践し、自然と食品廃棄削減のための学びができるようになっています。

アッシェの「もぐもぐチャレンジ」は、全国のスーパーマーケットに拡大中で今後もこの市場は拡大すると見込まれています。2023年2月には、もぐもぐチャレンジのデジタル化がスタートし、今後はDX化推進とソーシャルリレーションシップ(消費者同士がつながりエンタメ要素を高めあう関係)が急速に進み、社会課題である食品小売業界の食品ロス・値下げロスが改善されることがますます期待されます。

最後に須江氏から、SCC受講者に対し「起業から学んだこと」のメッセージを頂きました。

■ いきなり新しいビジネスを作ろうとするのは危険。
・ 革新的なアイデアなんてほぼこの世にない
・ 最初は、実現できる経営スキルも経営リソースもない
■ 地方からコツコツ成長モデルで誰でも成功できるパターンを構築してみる。
・ STEP1 成長市場で小さくスタート(日銭を稼ぎながら経営の経験を積む)
・ STEP2 ニッチな領域を攻めてシェア1番(敵が少ないところで戦う)
・ STEP3 強みを活かして市場を拡大する(強みこそ最強の武器)
・ STEP4 社会性のあるテーマで独自サービスを展開(あったら便利より、なくては困るもの)

須江氏のメッセージから、起業や新規事業開発に取り組む際には、いきなり新しいビジネスを作るのではなく、小さな領域でコツコツと成長モデルを構築することが重要であることが伝わりました。また強みを活かして市場を拡大し、社会性のあるテーマで独自のサービスを展開することが成功モデルになることも学びました。

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