2023年3月6日のEO Setouchiオンライン講義& メンタリングでは、徳島市に本社を置く、株式会社電脳交通の近藤洋祐社長が登壇し講義とメンタリングを行いました。
近藤氏は、かつてメジャーリーガーを目指してアメリカに渡りましたが、球団からのオファーがなかったため、2007年に22歳で帰国し、地元企業に就職しました。
その後、祖父が倒れたことをきっかけに、実家のタクシー会社をドライバーとして手伝い、2012年にはドライバー兼経営者として代表に就任し、赤字や従業員の高齢化といった課題に直面しましたが、ITを活用した改革に乗り出しました。2014年には、近藤氏が運転するタクシーに乗った投資家から、「起業しなさい」とアドバイスを受けたことがきっかけで、2015年にはエンジニアと共に電脳交通を創業しました。
電脳交通は、ITシステムを活用して、タクシー業界にある多くの課題を解決するサービスを提供しており、利用者やタクシー事業者との繋がりの大部分はITツールを介しています。
クラウド型タクシー配車システムDSによる2021年の年間配車数は1400万回を超え、タクシー配車委託サービスTAXI CC による着信件数は直近2年で約3倍に増加しています。創業以来、年次200%以上で成長率を維持し、解約率は驚異の1%未満です。導入エリアも続々と拡大しており45都道府県を突破する勢いです。
また電脳交通は、システムと様々なサービスをつなぐハブとして「電脳コネクト」を社会に実装し、「すべての人がいつでも生活に必要な移動ができる社会」そして「地域に必要な移動を支える交通事業者がいつまでも存続可能な社会」の実現を目指しています。
今回のオンライン講義&メンタリングでは、近藤氏が自らの体験を通じて得た知見や、これまでの苦労話や取り組みを話されました。参加者は、近藤氏の経営哲学や思考プロセスを学び、新規事業開発やイノベーションに取り組む上で多くのヒントを学びました。
これから私たちがタクシーに乗るたびに近藤氏のお話を思い出し、電脳交通のサービスが我々タクシー利用者に与える影響をより実感することになるでしょう。
(追記)
オンライン講義から約1ヶ月後の2023年4月4日のプレスリリースによると、株式会社電脳交通は投資家から総額12億円の資金調達を実施し、累計資金調達額は約27億円となりました。