令和4年度修了生

SCC講義 Day 6 中間発表

SCC DAY6は、中間発表の日です。
午前は、三原商工会議所会頭を務め、くりーむパンの製造・販売で有名な株式会社八天堂 代表取締役の森光孝雅氏の講話から始まりました。八天堂は、昭和8年 三原市港町で誕生した老舗企業で、2023 年6月に創業90周年を迎えます。
・「人生、今日が始まり 〜人間成長への挑戦〜」
・ より良く生きるための3つの成功条件「熱意(必須)・理念(あり方)・ビジョン戦略(やり方)」
・ 成功者に共通する7つのフレーズ(幸福感)
・「信条」、「経営理念」、「社是」について
・「くりーむパン」誕生、そして三原から東京進出を皮切りに全国、世界へ挑戦
講義の冒頭で、会社紹介の動画も見せて頂きました。
「八天堂は社員のために」
「お品はお客様のために」
「利益は未来のために」
この言葉から始まりましたが、動画の中で取締役の方がHATTENDO BOOKを手に持っているシーンがありました。企業が大切にしているものごとの考え方や判断基準をまとめたものが書かれていると説明され、開くと大きく「挑戦」という文字が書かれています。「何事もやってみないとわからない。現状維持は退化」とし、会社としても行動力、すぐにやることを大事にしているとのことです。手のひらサイズの小さなBOOKですが、肌身離さず持っているだけで会社の価値を社員全員で共有できる気がするのは、きっと私だけではないと思います。
八天堂の過去から現在まで育んできた奇跡と「人生、今日が始まり 〜人間成長への挑戦〜」を学びました。

午後は、EO Setouchi 創設者、ベイシス株式会社 代表取締役社長で地元三原出身の吉村公孝氏の講義です。
「起業のリアル」を題目に、創業からこれまで約22年間のストーリーを凝縮してお話しいただきました。

2000年、広島のアパート1室からスタンドアロン(一人起業)でスタートし、2021年には東証マザーズ上場(現グロース市場)を果たしていますが、この上場までの平坦ではなかった険しい道のりを語って頂きました。
創業時は誰もが経験する資金調達に苦労。やがて売上も拡大し経営も安定したことで全国で勝負することを決断。経営判断も独断から権限移譲へと変容し、会社はより高みを目指すようになりました。東京進出を機に業務をマニュアル化・仕組み化したことでさらに売上は拡大し、市場も全国展開へとスケール。しかし9年目のリーマンショックで業績は悪化し、ブレーキの踏み遅れによって組織もバラバラとなり一時上場を断念。その後ミッション・ビジョンに寄せた採用と経営を実践することを全社員に宣言し、わずか1年で業績はV時回復を果たします。その時、「会社=人」であることを改めて実感。
理念を再び見直し、「理念経営」を社員全員に徹底。業績も伸び成功の兆しが見えたましたが、急速な分社化によりいつの間にか経営は非効率に。さらに強みやノウハウが活かせない新規事業を始めたことで全てが赤字となり失敗し2度目の上場断念。
この頃、テクノロジーを使って競合との差別化を図るためクラウドシステムBLASを開発。しかし事業を縮小したこともあり、売上はしばらく右肩下がりが続く。
やがて新たなビジョンと戦略づくり(強み×成長分野)、コンプライアンス・ガバナンス強化(リスク管理)に集中。苦しかったものの経営の立て直しを試み3度目の上場に挑戦しました。その結果新たなビジョンと戦略が軌道に乗り業績は再び回復し、2021年6月マザーズ上場を成し遂げました。
上場を達成している会社の業績は、毎年右肩上がりで順調に推移し、上場に至ったのだろうと思われがちですが、実情は異なります。上場は、何度もの失敗と挫折を繰り返し、アグレッシブにチャレンジし続けた事による賜物です。

吉村さんからは、どんなに失敗や苦労しても、決して諦めない起業家の強靭なマインドセットを学びました。
最後は、起業から今までの10の教訓を共有して頂きました。
・ 寝ても覚めても事業のことを考えるぐらいの情熱が必要
・ とにかく前向きに行動、その行動が未来を作る
・ 大きな市場、伸びる市場を狙う
・ 3年〜5年に1回ぐらいは大きな挑戦をするべき
・ 勝ちパターンを見つけて横展開(地域・業界など)
・ オンリーワンの強みを創る(実際はなかなか難しい)
・ 一人では事を成せない、チーム作りが重要(理念共感、信頼、多様性、権限移譲など)
・ 経験や強みを活かせない新規事業は要注意
・ 資金繰りとBSの純資産には細心の注意を(黒字倒産もある)
・ 調子の良いときほど気を引き締めろ、油断大敵

最後の3コマ目は、受講生の中間発表です。スライドを活用して発表5分、質疑応答10分を繰り返しました。
この日は岡田市長にもご出席いただき、受講生の発表に対して多くのアドバイスや励ましをいただきました。
これまで私も他の自治体が主催する起業セミナー等に登壇したことはありますが、市長自らが中間発表、最終発表に出席され直接アドバイスされる光景は見たことがありません。市長の熱い期待に応えられるよう、私達運営側も気合いが入ります。何よりも受講生には、このSCCを機に新たな事業機会を手に入れてもらいたいと心より望んでいます。この三原市のスタートアップ創出シティカレッジが、マネジメントの理論及び実践を学ぶため、学ぶ者と教える者とのプラットフォームとして機能し、アントレプレナーのコミニティに成長することを願っています。

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