第2回目のEO Setouchi オンライン講義&メンタリングは、2022年10月17日午後18:30より株式会社パンクチュアル CEO 守時健さん(本社 高知県須崎市、出身 広島県呉市)をお招きし開催しました。
事業内容 : ふるさと納税事業・EC事業・地域活性化事業
経歴 : 超公務員(8年間須崎市役所に勤務)、Twitterの世界リツイートランキング世界一を2度達成
物語の始まりは、
守時さんが須崎市役所に就職し、市長から「アイデア出して頑張れ」、「あ、はい・・」このやりとりからです。
町を変えるには「情報発信」だなと決めて、入って3ヶ月の新人が上司に70ページの企画書を提出。そして「ゆるキャラ・しんじょう君」が誕生し守時さんは超公務員として、しんじょう君をアテンド(お世話)することになります。
ゆるキャラ・しんじょう君
しんじょう君は、高知県須崎市の新荘川(しんじょうがわ)で、最後に目撃されたニホンカワウソをモチーフにしたゆるキャラで、絶滅種指定されたカワウソの友達を探すために旅をしています。
プロフィール
年齢 : 5才くらい、特技 : ダンス・水泳、趣味 : おしゃれ・アニメ
頭の帽子(ご当地グルメの鍋焼きラーメンをモチーフ)は取り外しでき、ご当地キャラの間では、しんじょう君の帽子をかりて写真を撮るのが密かなブームです。
ゆるキャラグランプリ2016優勝。(全国1412 キャラクターの中から選出)
トラクション・チャネル戦略(どうやって世の中に周知するか)
企画書提出→ふるさと納税・基金活用事業採択→ゆるキャラデザイン全国募集→市民で投票→しんじょう君誕生
課題抽出 : 須崎市の「いいもの・コト・イベント」を全国の人に知ってもらう方法がなかった。
解決方法 : ゆるキャラ・しんじょう君によるSNS上の情報発信
具体的には、twitterフォロワー120,000人、TikTokフォロワー206,000人、ブログ1,000,000PV/年とSNSをバズらせる「ゆるキャラ&SNS戦略」です。
地元でのキャラクターイベント開催時には、95,000人の来場者(須崎市2022年9月末人口の約4.6倍)を集める。
マーケティング戦略とコンセプト
須崎市をほとんどPRしない。(ファンとの交流を大事にするため、一日50〜100件リプライを返す)
宣伝したいことよりも、ファンが見たいものを見せる。(ファン・ベースのマーケットイン思考)
コンセプトは「しんじょう君のプログ・twitterで少しでも笑ってもらい、みんなの生活を1ミリでも豊かにする !!」
マーケティングに必要なことは、「アルゴリズム」と「データ解析」。でもその背景には「愛」が絶対に必要。
情報発信力を活かしたふるさと納税
しんじょう君がふるさと納税のPRを担当。それまで200万円程度だったふるさと納税寄付金額が今では21億円以上に急増。ふるさと納税の使途にしんじょう君事業が入っているのがとてもユニークです。(寄付する人の願いですね)
ふるさとチョイスアワード2018 グランプリ受賞(ふるさと納税の裏側で起きたストーリーや地域の人の熱い想いを表彰)
ECサイト立ち上げで急成長
8年間の市役所勤務を経て退職し Punctual inc. を設立したものの、創業早々コロナ禍によりイベントが 0 に ・・。
そんな時、市内の養殖業者さんが困っているのを見て、ECサイト「高知かわうそ市場」立ち上げ。しんじょう君のツイートでめちゃバズり(3.9万いいね)、捨てられそうだった「カンパチ20万匹」は三日で売れる。「ブリが28万匹余ってる」と聞いて、しんじょう君がツイートすると、この日twitterで日本一バズる。(インプレッション数1,461万回、いいね15万件)。なんと創業1年で年商10億円を達成。
独自のポジショニング
生産者・事業者のプランディング、SNSマーケティング、WEB、IT対応、流通を担うプロが、地元への理解・地元愛を抱いて、地域商社としてのポジショニングで地域の魅力を国内外に発信。地域だけでなく日本の発展に寄与する。
あっという間の60分でした。
「世界と戦える地域を創る」・「地域と共に成長する」をミッション・ビジョンに掲げるリーダー守時健さんのお話にとても感動しました。一言で言うと、たのしかったー。オンライン講義&メンタリングへのご登壇ありがとうございました。「日本一バズる公務員」Amazonで買いました ! この本は、起業家にとって良書としておすすめです。